特別寄稿
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)[2]—在宅医療での状況
村井 貞子
1
1東邦大学医学部公衆衛生学教室
pp.359-364
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900479
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はじめに
MRSA(Methicillin Resistant Staphylococcus aureus)は第III世代セフェム系抗菌剤に誘導された結果として,特に大きな教育病院等で出現し,感染予防の盲点をついて拡がった。そして時としてcompromised hostに致命的な影響を与えるために,院内感染の重要な感染源と考えられていることを前回述べた。
一方,昨今のように在宅医療が行政の中でも強調され推進され,在宅患者の増加する中で,これらの患者の中のMRSAは一体どうなっているのであろうか。今回は,(1)在宅医療での感染予防の考え方,(2)MRSAの在宅患者環境での分布,(3)MRSA陽性結果から起こってくる問題等について,筆者らの経験した事例をもとに整理し,考えてみたい。
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