連載 地域ターミナルケア—看とりを支える沼隈町の通所訓練教室・9
石田さんの在宅死と私の変化
松井 京子
1
1広島県沼隈町
pp.307-312
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900467
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1991年12月,ターミナルが近い
1991年師走も半ばのある暖かい月曜日,私は当町に立ち寄っていた医書出版社のK氏と一緒に,町内を回っていた。全国的に暖冬とは言っても,外を吹く風の冷たさに冬を感じながら,沼隈町内を案内していた。
はじめに石田勝吉(仮名)さんの家を訪れる。勝吉さんは82歳。化膿性椎体炎・多発性脳梗塞のため寝たきりとなり,78歳の妻の介護を受けながら,夫婦2人で細々と暮らしている。今日,ギャッチベッドを貸し出すことになっている。丁度,社会福祉協議会の指導員とヘルパーが,ベッドを持って行っている頃だと思い,寄ってみたのであった。
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