書評
—石田 岳(著)—「がっくんといっしょ エコー解剖のひろば」
工藤 慎太郎
1
1森ノ宮医療大学総合リハビリテーション学部理学療法学科
pp.829
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590070829
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運動器エコー侍の一人,石田岳先生が『エコー解剖のひろば』を上梓された.トランスデューサーという刀をもって,日々臨床で病気と闘う医師の生きざまが垣間見える書籍である.超音波画像に魅了された理学療法士という立場で本書の感想を述べさせていただく.
約15年前,運動器エコーと出会った.当時は解剖学教室の研究員として肉眼解剖学的研究を週末や休日にしている“変わり者”と思われていた.当時は解剖学書を見ながら構造物を同定していた.現在はよい書籍がたくさんあり,理学療法士の教科書にも超音波画像が載る時代になった.それでも,なお超音波画像の撮像は理学療法士にとって難しい技術であることに変わりない.それは本書にも書かれているように,超音波画像の撮像は“生”の“動画”であって,トランスデューサーを動かしたり,筋を収縮させたりして,構造物を同定するためであろう.そのため,エコー撮像技術を上げるためには教科書を開くだけではなく,動画が必要になる.本書では多くの動画がエコー解剖を“できる”ようになるためのナビゲーションをしてくれる.これは本書のわかりやすいメリットの1つであろう.

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