Japanese
English
特別寄稿
精神医学事始め—石田昇のこと
An Anecdote in the Age of Dawn of Japanese Psychiatry: the tragedy of a Japanese psychiatrist sentenced to life in the U. S. (Memorial Speech at the 88th Birthday Ceremony) imprisonment for murder
秋元 波留夫
1
Haruo AKIMOTO
1
1東京都立松沢病院
1Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
キーワード:
Noboru Ishida
,
Oneiroid state
,
Pathography
,
Quijotism
,
Santiago Ramón y Cajal
Keyword:
Noboru Ishida
,
Oneiroid state
,
Pathography
,
Quijotism
,
Santiago Ramón y Cajal
pp.981-990
発行日 1994年9月15日
Published Date 1994/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903734
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■はじめに
この1月29日に私が88歳になるのを祝ってくださるということで,このように多くの友人,ことに,令夫人にお目にかかる機会をお作りいただいたことを御礼申し上げる。皆さんにお目にかかれるのはまことにうれしいが,原田(憲一)さんから話をしろと命令されたのに困り果てた。大体古希とか喜寿とかいう老人の会では,本人はおとなしく座っているものである。そう言ってお断りしたのだが,秋元は東京の外ではいろんなところで話をしているくせに東京ではあんまり聞いたことがないから,この際,話したらという原田さんのおだてについ乗せられたのが運の尽きで,こういう羽目になってしまった。
何をお話ししようかと考えたが,今度医学書院から出版された「精神医学逍遙」4)の中で取り上げ,またこれまで私の頭から離れたことのない,石田昇という精神医学者と狂気についてお話しすることにした。この話の題を「精神医学事始め」としたのは,石田先生が我が国の精神医学の事始めの時代,優れたリーダーであったとともに,私の精神医学事始めにとって先生は唯一無二の先達でもあったからである。
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