PHOTO
痴呆性老人の介護体験を芝居に—ぼけ老人を抱える家族の会と退職保健婦らによるボランティア劇団 新潟県南魚沼郡大和町「よもぎの会」
八木 保
pp.85-88
発行日 1992年2月10日
Published Date 1992/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900420
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
劇団「よもぎの会」は1988年に結成され,その上演は70回ちかくに及ぶ。劇団員は,大和町のぼけ老人を抱える家族の会の有志と大和町を退職した保健婦の佐藤勝美さん(劇団代表),大和医療福祉センター医療相談員の横山ミキさん(家族会事務局担当)ら全部で10名。新潟県内の保健・福祉・医療関係者の間で,この劇団を知らない人はいない。最近では,評判を聞きつけ,県外からの上演依頼も増えてきた。農繁期を除いて,依頼があればどこへでも手弁当でいくことを原則にしている。
この日は,新潟県十日町保健所での“痴呆性老上手なお世話講座”の受講者を前に約1時間の介護劇が繰り広げられた。介護劇は全4幕構成で,第1幕・ごはん戦争とさいふ紛失事件,第2幕・徘徊,第3幕・さまざまな問題行動,第4幕・失禁,夜間せん妄と,痴呆が次第に重症化していく“おばあさん”の経過をおいながら,おばあさんに振り回される家族の姿を浮き彫りにし,痴呆性老人・家族を,親戚・地域の人々で援助していくことの大切さを示唆したストーリになっている。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.