発言席
管理体制に工夫を—「在宅介護」ビジネスを始めて5年
池田 節子
1
1アプト・サービス(株)
pp.841
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900332
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「在宅介護」と言っても,家族に代わり他人が介護する現状はあまり知られていない。家族のお手本のような家庭では,担当者も生き生き仕事をしている。が,中にはこれでも家族? これでも人間? と,問いたくなる患者等もいる。患者と年齢が20以上も違えば,話題が合う筈はない。家の中での看護は単調な繰り返しが多い。その上,家族とも旨くやってゆけない患者を1日8〜10時間看るのは孤独で,苦痛だ。たとえ週に2回でもイヤになる。現代の若者が飛びつくようなカッコイイ仕事ではない。今居るスタッフは本当に良くやっている。と,手前味噌だが思う。事務所は設立以来人材難と人事管理の戦いであった。
面接や会話で「査定」とか「評価」と言うと,頭をかしげ「医療業界は特殊ですから」と言う看護婦が多い。しかし,これは医療業界に限ったことではなく,中小企業では利益さえ上げれば,というところも多い。最近の大企業,日本のトップクラスのほぼ全社の相次ぐ不祥事。法は最後の砦と言うが,その前のモラルや責任ある考え方等は二の次,三の次という現代日本人の精神構造を露呈した。
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