主張
医療関連ビジネスと病院
O
pp.739
発行日 1990年9月1日
Published Date 1990/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900724
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医療を支える周辺事業のあり方が議論され始めてから数年が経過した.給食業務の外部委託の是非が問われて以降,この議論の流れは新たな方向に視座を移していったと見ることができる.すなわち,外注による単なる経済効率の追求という観点から,病院機能の一部を,外部の組織が契約的関係によって支えることのあり方についての問題へという方向である.
清掃・洗濯業務,施設・設備の安全管理,検体検査,電算システムの運転・保守等については,業務の画一性や規模の経済性などによってその質の確保が十分に期待でき,委託外注の合理性は一般的に納得できるところである.ところが,給食,薬剤,訪問看護等の業務となると,それぞれの領域に専門職種が確立し,医療そのものを担う病院機能として定着してきただけに,院外の事業体へ委託する場合には,特別の配慮が求められる.すなわち,専門性に基づく医療の論理と,委託先の企業の論理との調和を図る努力が求められるのである.
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