調査報告
離島部の中学生の喫煙—第1報;喫煙の実態とそれに関連する要因
内田 由佳里
1
,
二里 幸夫
1
,
菅生 修
1
,
松園 朱實
1
,
坂下 照代
1
,
重藤 和弘
2
,
竹本 泰一郎
3
1長崎県福江保健所
2厚生省社会局保護課
3長崎大学医学部公衆衛生学教室
pp.820-826
発行日 1991年10月10日
Published Date 1991/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900327
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はじめに
喫煙の健康への影響は広く一般に認識されるようになったが,わが国の喫煙人口は約3200万人と推定され1)今なお先進国の中で第1位であり2),早急に喫煙対策を実施する必要に迫られている。特に,喫煙の影響は喫煙開始年齢が早いほど大きいこと3),喫煙習慣を一度獲得してしまうと行動変容が難しいこと4)により,青少年に対する喫煙防止対策が重要と考えられる。
青少年の喫煙防止対策を実施するうえで,どの年齢層にどのように行なうのが効果的であるのかを検討するためには,まず,その実態や喫煙に至る要因の分析が不可欠である。これまで,都市部の児童生徒の喫煙の実態や,それに関連する要因についての報告はされている5-8)が,郡部についての検討事例は乏しい。喫煙の開始に際し,家族や友人関係,学校生活などの生活環境やその地域社会の文化的背景が大きく影響を及ぼしていることを考慮すると,都市部と郡部とでは青少年の喫煙の実態に違いがあることが予測される。今後,地域特性による喫煙の実態に差異をふまえた,児童生徒に対する禁煙教育も実施が必要であろう。
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