特別記事
地味ながら魅力あふれる地域保健活動—資源をつなぎ地域を拓くグループ活動
高階 恵美子
1
1元宮城県精神保健センター
pp.720-724
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900306
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はじめに
「保健婦の仕事っていったい何だろう?」日々の仕事の中で,保健婦は多かれ少なかれ,こうした疑問にぶつかることと思う。上司や関係職員との確執,なかなか変容をつかみ取りにくい保健活動の繰り返し,次々と増える事務処理量など,自らの職業の専門性を明確に打ち出そうと焦れば焦るほど,疑問符をつけたくなる機会の多さが目についてしまうことさえあるかもしれない。しかし多くの保健婦は,なにかのきっかけでこのトンネルから抜け出してゆくように思う。その秘訣は「これこそ私たちの仕事!」「保健婦になって良かった!やめられない!」そう実感できる機会を,いかに上手に受容してゆくかにあるのではないだろうか。対象に変容の動機づけをするのと同様に,保健婦として成長していく時にもまた,こうしたきっかけが必要なのではないかと考える。
そこで今回は,前述の疑問符を感嘆符に置き換えるチャンスを積極的に作り出す試みを,東北の一保健所管内の地域保健活動から探ってみたいと思う。
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