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はじめに
少子高齢化,周産期医療の進歩などの社会情勢の変化や,2005年,発達障害者支援法,2006年,障害者自立支援法の制定1),2007年,特別支援教育を推進するための改正学校教育法が施行され,障害児をとりまく環境は大きく変化してきている.障害児療育は,障害の重度重複化,多様化,発達障害児の増加,家族関係の崩壊や核家族化を背景とした育児能力の低下,被虐待児の増加など多くの課題を抱えており,子育てを支援する社会のセイフティネットとしての療育の役割はますます重要となってきている.
18歳未満の身体障害児9万人のうち,在宅が8万2千人,施設入所が8千人(2001年身体障害児者数実態調査)となっており,ノーマライゼーションの理念の実践,国の施設入所から在宅支援への施策が進んでいる.1996年から障害児(者)地域療育等支援事業が実施され,障害児(者)コーディネーターは地域ネットワークの重要な役割を果たした.この事業は,地域生活支援事業として2003年から一般財源化された実施主体が都道府県の障害児等療育支援事業と,2006年から実施主体が市町村の障害者相談支援事業に再編された.また,2000年からの地域リハビリテーション支援体制整備推進事業により,医療,福祉を在宅でも必要とする障害者に対する支援事業の地域への移行が推進され,社会資源や専門家の不足など多くの課題を抱えたまま,地域生活支援,地域療育ネットワークの構築が不可欠となってきた.
地域生活支援,地域療育ネットワークは,各地で地域の特長を生かして行われているが,本稿では,近年増加してきている心身障害児重度例と発達障害児の地域支援を中心に,地域の療育機関などの機能と役割,さらに課題と展望について述べる.
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