研究
地域保健活動におけるケースワークを試みて
藤野 育子
1
,
松野 順子
1
,
上田 敦子
2
,
長嶺 敬彦
3,4
1山口県豊田保健所
2山口県玖珂保健所
3豊田中央病院
4現在,若宮病院
pp.476-483
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900255
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
従来より保健婦による訪問活動は行なわれており,実績もあった。保健婦の行なうケースワークは地域を基盤にした訪問活動で,それ自体独自の専門的保健活動であるべきはずであるが,訪問活動を定期的に議論したり,他の職種にその内容を伝える作業を理論的側面から言及することが少ないため,訪問活動の機能自体を発展させにくく,また社会的評価も得にくい現状である。
友愛訪問から始まったケースワークは,次第に科学的体系化が図られ最近ではケースワーク機能も,医学モデルから生活モデルへと援助と方法が拡大されてきた。クライエントは1人ではなく時に家族全体に及ぶことが多く,また心理的援助のみでなく経済的関わりも含めた「環境の修正」を望んでおり,ワーカーがクライエントを待っているのではなく「出向いていく」必要があり多くのクライエントは,長期よりも短期間の解決を望んでいるなどクライエントの拡大もなされてきた1)。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.