研究
幼児をもつ母親の性教育に対する考え方—health belief modelを試みて
藤野 育子
1
,
松野 順子
1
,
上田 敦子
1
,
浅野 幾子
1
1山口県豊田保健所
pp.320-324
発行日 1990年4月10日
Published Date 1990/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900053
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
性教育の必要性と重要性があちこちで叫ばれて久しい。しかし性教育の実態はというとなかなか困難な問題が多く,はっきりした実績が少ない分野といえよう。しかし地域保健活動のなかで,性教育も無縁ではなく,むしろ,性教育を地域保健活動のなかに取り入れて行かねばならない現状であろう。性教育は,人間性を基本とした学際的分野であり,文化や社会性の変遷と密接な関係があるという特徴があり,基本的に確立された方法論がないという現状である。そこで昭和63年度,管内各地で行われた幼児をもつ母親の学習会の場で,われわれが行った“家庭で行う性教育”の話題提供に対して,お母さんたちが強い関心で受け止めたのを契機に,これからわれわれが行おうとしている保健活動,すなわち性教育活動へのお母さんたちの期待度と方向性を把握するために,2町愛育会の協力を得て,管内にhealth belief model(Becker)を応用した質問票を実施し,幼児をもつ母親の性に対する姿勢,性教育に対する考え方を把握したので報告する。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.