調査報告
高鷲村における10年間の保健婦活動の評価—成人病保健活動を中心に
栗田 孝子
1
,
上村 喜美江
2
,
宇田 勉
2
,
岩田 弘敏
3
1岐阜県衛生環境部保健予防課
2岐阜県郡上郡高鷲村
3岐阜大学医学部衛生学教室
pp.400-408
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900239
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要約
過去10年間の高鷲村の保健活動の評価として,死亡状況,医療費,成人病健診結果などの保健活動指標に下記のごとき成果を得た。
●村民の保健指標は改善された。
●PMIは高くなってきた。
●死因は全国的に変わらないが,主死因の減少率が県と比較しても大きかった。
●医療費の伸び率が老人人口が増加しているにも関わらず低かった。
●健診結果から「異常なし」群が増加した。
●効果的な保健活動は医療費の軽減に役立った。
●国保1人当たり医療費の伸び率は低くなった。
●高血圧,脳血管疾患を中心とした保健活動の展開は,同疾患1人当たり点数を下げた。
●上記同疾患に関わる国保受診件数,日数の増減は5年間周期で変化した。
●医療費の軽減を図る保健対策は,健康な村民づくりと疾病の軽症化であり,とくに後者として健診が有効であった。
●成人病検診継続受診者は,未受診者に比べ1人当たり医療費は1/2.5で,健診は医療費軽減に有効であった。
●運動を続けている老人は,医療費が安かった。
●村民の健康への関心は高くなった。
●健診受診率が上昇し維持した。
●健診結果「異常なし」群の85%が次年度受診に結びついた。
●老人の健康教室から自主的な運動グループが発展した。
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