連載 老人のメディカル・チェック・20
耳鼻科疾患(1)—老人と難聴
小宗 静男
1
1九州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.748-750
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207813
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はじめに
難聴に対する処置としては,①手術 ②補聴器装着 ③薬物療法の3つがある。加齢によりいろんな全身的疾患を罹患していることの多い老人においては,手術についてはおのずと制限を受けやすく,また難聴の原因の多くは死にいたることもごく稀であるために,②,③,特に②が老人の難聴に対するケアの主体となってくる。しかし,適切な外科的処置により,かなり聴力の改善が得られる疾患があることも事実である。また,補聴器使用が老人難聴ケアの主体となるとはいっても,すべての難聴に対して補聴器が有効なのではないということも,よく知っておらねばならないことである。本稿では老人の難聴のケアについて述べるのであるが,まず,簡単なきこえのしくみについて説明したあと,主な2〜3の老人の難聴について述べることとする。
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