特集 老人の在宅ケア(2)各職種の取り組み
在宅ケアの現状と今後の課題・展望
島内 節
1
1国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.908-914
発行日 1988年10月10日
Published Date 1988/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207621
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
わが国は世界に例をみないスピードで人口の高齢化が進み,特に75歳以上の後期高齢者が増え,在宅ケアは必然的な増大の過程にある。厚生省は1987年6月に,国民医療総合対策本部から中間報告を出した。このなかで在宅ケアの充実,地域ケアのシステム化,長期入院の是正,老人にふさわしい施設ケアの確立(老人病院,老人保健施設,老人ホーム)などをあげている1)。これらは,従来の病院医療を中心とした体制から,在宅生活を基盤としながら多様なケアの場を用意していく方針である。人口や疾病構造の変化と行政政策の転換などの経緯を念頭に置きながら,わが国の在宅ケアの現状と将来の課題と展望について,外国との対比も加えながら述べてみたい。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.