連載 在宅ホスピスの現場から ターミナルケア実践からの12の学び・9
―独居でも最期まで在宅で自由に生きられる―1人暮らしでも希望死・満足死・納得死
木村 久美子
1
1小笠原訪問看護ステーション
pp.768-771
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101985
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「毎日、高速道路を使って1時間かけて入院中の父を見舞っている。余命は3か月で、抗がん剤治療の効果も期待できないと聞いてはいるが、何とか治療をしてやりたい。ただ、がん拠点病院である現在の病院からは、退院してほしいと言われている」と、長男の隆さんが、当ステーションと在宅ホスピスケアチームを組む小笠原内科の相談外来を訪ねて来られたのは3年前の冬のことです。
隆さんは、相談外来で1時間ほど話したあと、「在宅緩和ケアを希望したい」「準備が整い次第、連絡します」と言って帰っていかれました。父親の宏さんは、生活保護を受けており、入院前は隆さん宅から10kmほど離れたアパートに住んでいましたが、退院後には隆さん宅の近隣にアパートを探すつもりだということです。両親の離婚のため長らく疎遠にしていましたが、隆さんは「昔は父とはあまり仲がよくなかったが、がんになり、自分が面倒みようと思っている」と話していました。
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