事例研究 精神科
心因性斜頸を合併し精神分裂病と診断されたY子とその家族への援助―事例研究による援助技術訓練の重要性
金子 恵子
1
1千葉県看護大学校保健学科
pp.906-919
発行日 1987年10月10日
Published Date 1987/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207407
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I.はじめに
保健婦が保健指導をすすめる際に留意している点が3つある。1つは,援助の内容・方法が対象のニードに合っていること,2つには,家族保健指導の視点でとらえること,3つは,必要な他職種と連携をとること,である。このことは保健婦教育の中で強調されており,知識としては理解している。しかし,事例への援助を行う際に実践できるようになるためには,常に自分の援助を上記3つの視点で評価を積み重ねたり,他者からの客観的評価や助言を有効に生かすよう努力しなければ,なかなか身につかないことである。
私は,昭和59年度厚生省看護研修研究センター・看護教員着成課程の研修生として一年間学習の機会を得た。研修内容の「看護研究」の学習として,就職以来約3年間継続して行った精神疾患の患者・家族の事例を用いて,グループワークによる事例研究を行った。その中から保健婦として必要な基本的姿勢について改めて学ぶ機会を得たので報告する。
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