活動報告 共同で仕事づくりをめざす
町の保健婦・保健所保健婦の連携
佐賀県鹿島保健所管内での試み
活動の中身を話し合う中で
保健推進員活動に期待をよせて
南里 玲子
1
1鹿島保健所
pp.856-857
発行日 1987年10月10日
Published Date 1987/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207396
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鹿島市における保健推進員制度が発足して1年が過ぎた。鹿島保健所は1市3町を管轄しているが,管内でも本制度の発足は初めてであり,保健所はもとより,他3町も注目しているところである。
保健所保健婦と保健推進員との交流は,市役所の保健婦を間に,それぞれの担当地域での地区保健推進員会からはじまった。各地区の公民館や集会所で,推進員の皆さんから出される問題や意見は,とりもなおさずその地区に生活している住民を代表した声なのである。たとえば,受診票一つ渡すにも全く本人に会えない。何度も何度も足を運んだが,朝早くから夜おそくまで仕事に追われ,家に残っているのは幼い子供だけである。その子らは500円の現金をもらい,菓子パンやインスタントラーメンを買ってきては,それを食事としている。そうした生活が夏休みの40日間続くのである。「大人の検診をすすめにいって,子供の問題を発見しました。同じ子を持つ親として胸がしめつけられるようでした」という,ある推進員の声。また,住民からすれば,市役所保健婦も保健所保健婦も同じに見えても,保健所は,市役所ほど気軽には行けないところだ。「どんな内容の仕事がされているのかほとんどわからない」という声はズシンとこたえた(さっそく,保健所案内のパンフレットを試作してみようということにしたが)。
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