特集 精神障害者の社会復帰
精神保健の地域ネットワークづくり—精神保健推進員の活動を通して
今里 典子
1
,
今西 芳子
1
,
山根 彦二
1
1兵庫県宝塚保健所
pp.29-31
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900954
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■はじめに
精神障害者が「地域で普通に生きる」ためには,当事者とその家族の積極的な生き方が大切であるが,さらに住民の理解とそれらを支えるための受け皿の存在が重要である.
そこで宝塚保健所では,精神保健法が施行された翌年の平成元年から,「精神保健地域ネットワーク事業」に取り組み,4年余りを経過して,精神障害者自身と精神障害者を取りまく状況が少しずつ変化してきている.
本事業の実践者である精神保健推進員の活動が家族を勇気づけ,精神保健に関する窓口を持たなかった宝塚市を動かして,長い間の念願であった小規模作業所を設立することが出来た.さらに,作業所運営が軌道に乗る中で,通院患者リハビリテーション事業協力事業所を得て訓練生を送り,またアルバイトに行けるようになった者もあるなど,社会復帰への気運が高まりつつある.そこで「精神障害者の社会復帰,社会参加をめざした精神保健推進員活動」を目的として実施している“精神保健地域ネットワーク事業”を紹介する.
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