連載 呆け老人の地域ケアの方向を探る・7
呆け老人の実態調査から個別援助へ—町との協力による保健所事業のこころみ
松元 ミツ
1
,
尼崎 瑞恵
1
,
井上 加津子
1
,
小島 さえ子
1
,
岩井 香
1
,
瀧本 のぞみ
1
,
石浜 貞
1
1埼玉県吉川保健所
pp.795-802
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207383
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はじめに
呆け老人については,老人精神衛生として保健所事業に位置づけられているが,実際に携わる保健婦も何から手をつけたらよいか暗中模索の中で,まず地域でケアを必要とするケースの実情を知り,とにかくケースに援助してみて,どのように取り組んでいくか考えようと実態調査を行った。
埼玉県には少額であるが,公衆衛生調査研究事業費という調査研究助成の予算があり,調査費用については,この事業費が使えることになり,保健所の事業として,他課の協力も得られることになった。調査地域は管内1市2町から,①調査するのに,人口規模が適当であること,②管内で最も老年人口率が高いこと,から松伏町にしたいと考えていたところ,たまたま,松伏町では,40歳以上の全町民に健康調査を行うことが決まり,町と話しあい,その調査に乗ることになった。
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