書評
―三宅貴夫編(京都・堀川病院)―老人呆けの理解と援助
長谷川 和夫
1
1聖マリアンナ医大
pp.286
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104931
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“老人呆け”は,おそらく“老い”にともなう最も困難なそして早急に解決を迫られている問題であろう.老年医学の領域では“老人呆け”についての研究が輩出しつつあり,保健,医療および福祉関係の分野でも広い関心がもたれている現状にある.こうした時期に,本書のように“老人呆け”の問題点を明らかにしようと試みた傑作が出されたことは誠に時宜にかなったものといえよう.
編著者の三宅貴夫氏は,長年の間呆け老人の診療に実践の道を歩み,ことに“呆け老人をかかえる家庭の会”の設立と育成に貢献している.編者を含む20名の著者は,老年学,公衆衛生学,精神科医,看護婦,ケース・ワーカー,保健婦,ボランティア,老人ホームの施設長,体操療法主任および呆け老人の家族等,実に多岐にわたる領域の方であって,それぞれの立場は異なるが,すべて呆け老人のケアに直接かかわっていることが注目される.
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