発言席
保健婦さん,力を貸して下さい
河野 都
pp.9
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207261
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私の夫は,パーキンソン病という難病を背負って20年。病状が悪くて,ランク付をするとステージ5だ。薬のおかげで外出は車椅子,室内は転びながら歩ける程度で,後は寝たきりになる道しか残されていない。見通しのない患者と家族は,毎日の生活が闘いである。
私が仕事をもち,娘2人はまだ通学の身なので,どうしても患者1人が在宅療養をしなければならない。朝,夫の身のまわり,周囲の危険な状況がないように気を配りながら,「いってきまーす」と言った瞬間,ガッチャン! と大きな音,「アッチチ……」と言っている。倒れてポットをひっくり返して,頭から熱湯をかぶっている。急いで洗面場で水をかけて医者につれていく。これで今朝も遅刻。
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