扉
認知症の予防に脳神経外科医も手を貸そう
端 和夫
1,2
Kazuo HASHI
1,2
1太平洋脳神経外科コンサルティング
2新さっぽろ脳神経外科病院
pp.833-834
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101006
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先日,脳ドックのことでテレビ番組に出演した.その番組ではキャスターが実際に仮名ひろいテストを受ける場面があり,脳動脈瘤の治療と同じように,私は認知症の早期発見と予防について尋ねられた.そして番組の当事者達は,私が脳神経外科医であることになんの不自然も感じていない様子であった.
わが国の社会では,脳神経外科医はあたかも脳疾患すべての専門家のように扱われている.私どもは実は手術の専門家で,認知症などについて尋ねられるのは多少迷惑である,と言いたいところではあるが,よく考えてみるまでもなく,われわれの日常は,ことにある程度以上の年配の脳神経外科医の日常は,手術の専門家などではないのである.外来患者はもちろん,入院患者の多くも脳卒中やその後遺症で,それに加えて脳ドックや物忘れ外来などをやっていれば,世の中の人からみれば当然認知症のエキスパートにみえても不思議はない.
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