研究
保健婦援助の専門性と固有性をめぐる研究—夜尿研究を素材にして—Ⅳ.夜尿児にみる両親の定位家族体験の研究
井上 龍子
1
,
佐瀬 美恵子
2
,
根来 千穂
3
,
日野 和江
4
,
政辻 洋子
5
,
宮西 すず子
1
,
山岡 みどり
6
,
本村 汎
7
1大阪市東淀川保健所
2大阪市住吉保健所
3大阪市阿倍野保健所
4大阪市鶴見保健所
5大阪市平野保健所
6大阪市北保健所
7大阪市立大学生活科学部
pp.1024-1029
発行日 1986年12月10日
Published Date 1986/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207255
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1.問題提起と目的
われわれは保健婦の援助機能を追求する立場から,夜尿の発生と関連のある11の要因を設定し説明してきた。第4報では,子供の夜尿と両親の定位家族体験について取りあげる。
子供の問題行動を理解しようとする場合に,子供の両親のパーソナリティとその形成に影響を与える定位家族体験にまでさかのぼらなければならない事例が多くあることは,経験としてすでに知られている。またこのような事例研究は単発的には見られるものの,子供の問題行動と両親の定位家族体験の関連について定量的に研究したものは少ない。著者の知るところによれば,この領域で研究されているのは,主に子供の問題行動と両親の養育態度についてである。そこで今回の調査においては,夜尿の発生と関連のある11の要因のなかのひとつである問題行動を持つ子供の両親の定位家族体験について,定量的な視点から,研究をおこなった。そこでの分析枠組は両親の定位家族体験→両親のパーソナリティ→両親の養育態度→子供の問題行動という変数の論理的関係である。
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