小児・学童/活動報告
一山村における小児頭ジラミ症の集団発生に対する保健婦活動—治療対策と予防対策について
古田 清子
1
,
石黒 源之
2
,
池戸 隆範
3
,
川尻 光男
3
,
荻野 梢
4
,
湯下 堅也
3
,
中野 重男
3
1和良村役場
2和良村国民健康保険病院
3和良村役場住民課
4岐阜県郡上保健所保健婦室
pp.873-878
発行日 1986年10月10日
Published Date 1986/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207225
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はじめに
近年頭ジラミの流行が再び社会問題となってきている。昭和20年前後に多発した頭ジラミも,有機塩素系殺虫剤(DDT,BHC)などの徹底した薬剤の人体散布と環境衛生の向上によりしだいにその姿を消し,昭和30年代以降は全く忘れ去られていた1)〜3)。しかし,昭和52年以降,再び頭ジラミが小学校低学年の児童や,保育園児を中心に各地で集団発生している3)〜4)。とりわけ東京,大阪,名古屋などの大都市周辺の住宅地域に報告が多い3)。
昭和59年4月,岐阜県の中央に位置する山間の農村地域である和良村内の保育園および小学校において頭ジラミが集団発生した。その発生状況,治療対策,および予防対策について,我々の経験を報告するとともに,若干の文献的考察を加えたい。
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