教育/活動報告
家庭看護技術における教育方法
鈴木 隆子
1
1福島県医務課看護係・元福島県立総合衛生学院保健学科
pp.795-804
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207213
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1.家庭看護技術と家庭訪問指導の関連
家庭看護技術は公衆衛生看護論の看護技術に位置し教授しているが,家庭看護技術が家族保健指導と家庭訪問指導と密接な関連をもつ科目であることを再認識した。そこで,家庭看護技術における教育方法の概要をのべ,さらに教育方法の評価として演習グループで作成したチェックリストの紹介,およびアンケート調査のまとめをしたので報告する。
公衆衛生看護(以下公看)活動は看護の機能をもって公衆衛生活動の一領域を果たすものである。看護の機能を果たす対象は「個人とその家族」に対してである。その理由は,個人はだれしもが家族を基盤として成り立っており,個人の健康上の問題は単に個人の問題にとどまることなく,家族に影響しているからである。個人が健康上の障害をうければその家族も影響をうける。例えばねたきり病人を抱える家庭では,介護の負担が大きくて家族自身が健康障害を起こすことがある。また個人の健康改善をはかるには家族の協力が不可欠である。例えば高血圧症をもつ個人の食生活に対する健康改善には,家事担当者への減塩指導がなされなければ効果が得られない。在宅療養では,介護者である家族自身が正しい知識と技術を有していなければ健康改善がはかれない。このように個人とその家族は深い相互作用を有しており,公看活動の特性のひとつ家族保健指導の概念と相通ずる。
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