暮らしと保健婦・北海道
男爵いもと保健婦
小島 ユキエ
pp.331
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207152
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明治39年,川田男爵がアメリカから持参して北海道に導入したことから,じゃがいもと言わず"男爵いも"と呼ばれている。北海道の気象や地質に適合しているらしく冷害の続くなかでも平均的に収獲できるのだろう。全道的に裁培されている。したがって長い歴史を通じて道民の食生活に馴染んできた。長い冬,ストーブの上で焼き上がった男爵いもにバターをたっぷりぬってほほばるもよし,鍋料理に入れるもよし,赤ちゃんから老人にいたるまで男爵いもは,欠かせない健康食品である。
堅い連帯でスムーズに業務を展開し,住民の健康づくりに成果を挙げた保健婦の1人から,チームワークの真髄とも言えるものは何かについて聞いたことがある。「企画の段階から全員参加して検討の結果策定する。全員で決めたことを実践できる喜びだ」と彼女は言った。また,休日には保健婦全員が鍋,釜,調理材料を持ち寄り,鉄板焼きなどをほほばりながら友情が深まったとも。もちろん,魚,肉,バターにもよく馴染む男爵いもは欠かさない。この炊事遠足で磨いた調理技術をへき地住民から要請される食生活改善料理講習会に役立てるわけだ。
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