連載 開拓保健婦に看護のルーツを探る・7
評価された開拓保健婦制度
小島 ユキエ
pp.768-769
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207208
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欠陥だらけの開拓政策の中で評価された保健婦制度
昭和33年,道庁の依頼で開拓地を視察した暉峻義等博士(元満州開拓科学研究所長・労働科学研究所顧問)は全道開拓地視察の印象を,18項目にわたって問題指摘と助言をしています.その幾つかを紹介しますと,
"1)開拓は基本的には生活の始まりである.鳥や獣も巣作りに周到な準備をするのに開拓地の人間の巣作りはなんとお粗末で無定見であろうか.言語道断といっても過言ではない.
2)住と衣と食糧とは互いに密接な関連があり,この三者は不可分である.寒地で住居が粗雑であれば多くの栄養・燃料を必要とし,栄養が不足するとより多くの衣料・寝具を必要とする.したがって住居に対する投資は寒地開拓者のもっとも重要なエネルギーと物資節約のための基本的条件である.
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