発言席
ほんものの暮らしを求めて
山口 泰子
1
1婦人民主クラブ
pp.733
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206881
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今私達の暮らしを取りまく情況は非常に厳しいものになっています。一見どんな物でもお金さえ出せば手に入り,どこにでも物が溢れているのにと,不思議に思う方もあるかもしれませんが,社会の弱い部分と接することの多い保健婦さん達は,日頃このことを痛感していらっしゃるのではないでしょうか。
食べ物を考えても,安全な物をさがすのはむずかしく,安い物ほど本物とは遠く添加剤や増量剤で外見だけ整えたものが多いというのが実態です。比較的安く,子ども達にも作れるインスタントラーメンは,酸化防止剤が添加されていますし,体の中のカルシウムを減らすと言われるリン酸塩も入っています。スープはたいてい化学調味料入りですし,発泡スチロールの容器からは化学物質が溶出してきます。子ども達の大好きなチューインガムは添加剤のかたまりです。アイスクリームも安い物ほど,卵や牛乳は少なく,CMCや着色料,乳化剤などでそれらしく見せたものです。
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