書評
—ポール. H. ウエンダー エスタ. H. ウエンダー著/宮本 実 中嶋 健一 訳—多動児—親と教師と臨床医のためのガイドブック
安住 矩子
1
1国立公衆衛生院
pp.746
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206888
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考えさせられる文献
「いつもちょろちょろと動きまわっていて,目をはなせない子」,「親や教師の指示にしたがえない手におえない子」,「ときどきとんでもないことをする変てこな子」などと言われる子どもが,アメリカでは全就学児の5%,日本では小学校低学年に2%あると言われている。
それらの子どもの多くは,いわゆる多動症候群と言われ,最近行動異常児として扱われるようになってきた。以前は,てんかん,脳性まひ,精神遅滞,自閉症などに伴う異常行動のひとつとしてみられてきたものが,近年になって,多動児すなわち行動障害児として考えられるようになりクローズアップされてきた。それは,多動を微細脳機能障害や学習障害の概念で考えられるようになったことからも言える。
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