連載 たくましく生きるネパールの人々・3
ヒマラヤから地上の人々へ
馬場 新子
1
1元青年海外協力隊
pp.56-57
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206775
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カトマンドゥの朝
ネパールの朝は早い。朝もやが明ける10時頃までの間に,人々は1日の半分以上の用事を済ませてしまう。真暗の夜明け前の空に,星が明るく輝いているうちから起き出し,朝のお茶1杯で活動を始める。
カトマンドゥ市周辺の道ですれ違うのは,首都へ生鮮食料品を搬入する農夫たちだ。ある者はしょいかごに大根をすき間なく詰めているし,中には自分の背より高くカリフラワーの株を積み上げている。天秤棒で(生きた)鶏のかごを担ぐ者もいれば,青菜の束ねたのを左右の皿にバランスよく振り分けて,それをいともたやすく担ぎ,ひょいひょいと歩いて行く者もいる。
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