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第1土曜特集 宇宙生命科学の進歩と医学応用への展望
医学応用と今後の展望
宇宙医学と地上医療のリンク
-――遠隔医療,ロボット支援腹腔鏡下手術,遠心人工重力
Relation between clinical medicine on the ground and space medicine
――telemedicine, robotic-assisted laparoscopic surgery, artificial gravity by human centrifuge
岩﨑 賢一
1
Ken-ichi IWASAKI
1
1日本大学医学部社会医学系衛生学分野
キーワード:
Spaceflight-associated neuro-ocular syndrome(SANS)
,
遠隔医療
,
ロボット支援手術
,
高二酸化炭素
,
遠心人工重力
Keyword:
Spaceflight-associated neuro-ocular syndrome(SANS)
,
遠隔医療
,
ロボット支援手術
,
高二酸化炭素
,
遠心人工重力
pp.653-661
発行日 2021年11月6日
Published Date 2021/11/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27906653
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国際協力や国家レベルの宇宙開発である火星ミッションや月基地計画と,民間企業による宇宙旅行の両者の進展が間近に迫っている.そのどちらにおいても,宇宙医学の知見を用いて解決していかなければいけない宇宙飛行による健康影響がある.その予防対策の構築に向けた宇宙医学研究で培う手法や得られる知見は,地上医療との関連も大きく,還元できる部分も多い.そのなかで近年,長期宇宙飛行の健康リスクとして宇宙医学関係者の注目を集めている “視神経乳頭浮腫を含む眼球や視覚などの変化(SANS)” の研究について,“地上と宇宙をつないだ遠隔実験” を含め紹介する.次に,コロナ禍をうけて日本でも注目を集めている遠隔医療について,今後の宇宙開発での活用の展望やその課題を述べる.そして将来,宇宙でも用いられる可能性のある地上で普及がめざましいロボット支援腹腔鏡下手術において,意外にも宇宙飛行と類似性のある “体液上方シフトと高二酸化炭素血症の複合曝露” について説明する.この稿の締めくくりとして,長期宇宙飛行のさまざまな健康影響に対して包括的な対抗策となると期待される “遠心人工重力” について紹介する.
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