特集 住民の主体性に基づく組織活動を・Ⅰ
保健婦のかかわりを徹底追求
組織活動研究会横浜集会全集録
2日目 系統学習・1
組織活動の現状と問題点—今,松川町の実践から学ぶものは……
久常 節子
1
1国立公衆衛生院
pp.368-382
発行日 1983年5月10日
Published Date 1983/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206678
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のたのたの進行に意義
久常 組織活動に関する研究会を毎月開いて勉強会をしたり,いろんな地域に出て行って保健婦と勉強会をしていく中で,組織活動を全国で保健婦がそれっとばかりに進めていくことに私は疑問を感じております。皆さんは,この研究集会が,もっとすっきり,早く,住民の意見を引き出す方法を知る方向へいきたいだろうと思うんですけれども,昨日,今日のようにのたのたしながら,自分達の気持を確かめていくことに,私は大変意義を見出しております。
というのは,プライマリー-ヘルス-ケアなんかで,住民のニードに対応するとか,住民参加が大事だとか,資源の活用が大事だと言われると,そうだそうだと,何かわかったような気持になる。しかし,住民のニードに対応するということを具体的に事例の中で明らかにしていくと,住民のニードじゃなくて,保健婦のニードだったことに気がつく過程があるんです。だから,住民の主体性と言いながらも,それは建前としては大事と思いながらも,やっぱり保健婦が大事と思うことを進めていっていることに気がついてくる。
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