活動報告
行政からのプライマリー-ヘルス-ケアへのアプローチ(2)—健康づくり自主グループ育成について—松戸市の例—
太田 重二郎
1,2,3
,
加藤 まち子
4
,
明星 静香
4
,
小林 栄一
4
1松戸市保健衛生部
2千葉大学医学部
3千葉県立衛生短期大学
4松戸市保健衛生部健康管理課
pp.846-851
発行日 1982年10月10日
Published Date 1982/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206587
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はじめに
従来,死因上位を独占していたのは感染症であり,予防方法もこれに対して行われてきたが,最近は疾病構造も変わり,成人病が死因上位を占めるようになってきた。成人病は長年月にわたって極めて徐々に進行する性格をもつため,早期発見が望ましく,それが又予防につながるため,精密な定期健診・人間ドックが行われるようになってきたが,一方,健診・人間ドックで発見されてからでは既に遅いので,健診で発見される前,即ち小児期からの予防も考えられてきた。論語に"性相近く,習相遠し"とあり,人の性は生まれた時あまり差はないが,長じて相違の出るのは習慣のためであるという孔子の教えもあり,習慣病として成人病をとらえ,これを治療するオペラント条件づけ法(報酬学習)もいわれてきた1〜3)。子供の時から予防を考え,よい習慣づけを食習慣,運動習慣に及ぼそうという考え方である。
鈴木4)は今日の生活環境条件の下で,成人病と密接な関係をもつ健康阻害因子として,"栄養の偏り""運動不足""精神的ストレス"の三つをあげている。また,栄養・運動・健康の相互関係5),強制運動と自由運動による血圧の変化6)を動物実験で行い,強制運動は逆に血圧上昇をもたらすことを述べており,当然栄養・運動・休養が必要となってくる。
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