資料
行政からのプライマリ・ヘルスケアへのアプローチ(2)—松戸市における在宅ケア(老人対策を含む)
太田 重二郎
1
,
飯島 静枝
2
,
石井 敏
2
,
中山 章
1
,
伊藤 みよ
1
Juhjiro OHTA
1
,
Shizue IIJIMA
2
,
Satoshi ISHII
2
,
NAKAYAMA, Akira
1
,
Miyo ITOH
1
1松戸市保健衛生部
2松戸市保健衛生部おせわ課
pp.490-495
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206555
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現在の医学が,病院の医学から地域社会の中で生活しながらの治療,看護,リハビリテーションを受けるように変わってきた疾病構造を考えると(昭和20年代における結核や伝染病を主としたものから成人病,老人,精神障害,心身障害児等を主としたものに変わってきた),在宅ケア,訪問看護,リハビリテーション,デイケアを考える必要がある.在宅ケアの体系的計画の樹立とその推進が必要であるが,保健,医療,福祉などのタテ割り行政の中でそれをどのように生かすかが問題である.第2次大戦後世界人口は激増を示し,1960年前半には年増加率2%に達した.このため有限の地球資源における人類生存の危機が予想され,国連を中心として出来るだけ早期に人口増加ゼロ到達を目標に努力し,その成果は予想外に早くあらわれ,1960年以降における出生率低下は加速的傾向を示した.人口増加率の低下はもっぱら出生率の低下によって行われ,死亡率の引き上げによるものではない.
ここで重要なことは,出生率の低下が人口老年化の基本的要因であるということである.
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