発言席
自らの健康管理は子どもの時から
山口 真
1
1ユネスコ-アジア文化センター
pp.9
発行日 1979年1月10日
Published Date 1979/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206069
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私たちの職場で案外,自分の健康管理に無頓着というか,知識のないのに驚かされた。ある人は貧血ということで病院を訪れたところ,病名は栄養失調ということであった。大学卒の女性である。だから気分が悪いとか,朝起きられないとかといってよく休む。アメリカ帰りの男性は10時半にならなければ出勤できない。不健康なのか,生活がずっこけているのかよくわからないが,組織に働く者としては落第である。
健康で気持よく働く条件を整えることは他人が与えることではなく,まず第一には自らが健康的な環境を整備し,自らが自分の健康を管理することが出発点であると私は思っている。いくら保健婦さんが地域や職場で健康の保持増進のために健康管理や保健指導をするにしても,最も自分の健康状態を知っているのは自分自身である。時には無自覚や潜在的な病気もあるから,自分の健康を科学的にチェックするため定期診断は必要であろう。その定期診断ですら自ら進んで受けようとする人がどの位いるだろうか,とくに若い層に。
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