特集 石川県における保健所保健婦の今日的課題
どうか場当たり的な対策でないように—市町村保健婦から見ると
津田 たきゑ
1
1根上町役場
pp.542-544
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206020
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
保健婦室設置後における地域の対人保健サービスについてそのあゆみを見るならば……
発足して1年を経過せんとしている今日,保健所保健婦と市町村国保保健婦の両者間には,少なくとも再検討しなければならない幾つかの問題点が出てきているのではないでしょうか。
縦割行政のサイドで機構の一部が改革されて,県保健婦の身分保障と保健婦業務が確立されたのですが,これは場あたり的な対策であってはならないと思います。相互の関連や一貫性のある中で体系化されなくてはならないからです。縦割行政が掲げた対人保健サービスは,地域住民を中心としてお膳立てされたものと思いますが,ややもすればその姿勢は崩れかけているきざしがあるのではないでしょうか。今年の2月と3月の保健婦定例会で討議した結果,室の意見のまとめとしてきがていいと思いますが,室長いわく,"何しろこの1年というものはやってみなければ何ともいわれない",どういう結果が出てくるかその上で新年度の事業編成を考えてみようということでした。県民の生涯健康の管理をめざすならば,試験的発足であっては地域住民に迷惑や,市町村保健婦に負担がかかることになりかねません。
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.