特集 はだしで濶歩!それが支えの人生街道—仲よし会(愛知県)の活動から
手術を拒否し続けた患者
仲井 節子
1
1愛知県田原保健所
pp.202-204
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205830
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Nさん(昭和10年生)は,商店街の一角にあるプラモデル店の主人です。これで暮らしていけるのかなと思われるような細々とした店構えです。奥に細長い家は暗く冷っとしており,家族の暮らしぶりは10年以前の暮らしぶりで,長い間結核を患っているという生活がうかがえました。
昭和46年当時,活動性肺結核,菌陽性,放置患者だったNさんの結核とのかかわりは,32年から始まります。高校卒業時,ツベルクリン陰性だったNさんは,大阪の既制服問屋に就職し,32年に肺門に少し陰影があり,要注意と言われました。が家業の料理店を継ぐため帰郷すると間もなく父親が急死,料理店を廃業することになりました。そのため,Nさんの肩に生活がかかり,鉄工所へ勤めました。
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