特集 老人保健と保健婦活動
調査報告
一農山村における寝たきり老人の実態(第II報)
新田 則之
1
,
大平 八重
1
,
清家 とし子
1
,
岩井 正志
1
,
森藤 千和子
1
,
河野 三二
1
,
善家 晴代
1
,
小松 友恵
1
,
高橋 悦子
1
,
掘部 初恵
1
,
八杉 伸輔
2
,
岡田 尚久
2
,
土佐 征英
2
,
滝原 章宏
2
,
永見 宏行
2
,
青木 博美
2
1愛媛県広見町健康センター
2愛媛県立北宇和病院
pp.696-703
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205766
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
広見町は愛媛県南予に位置する戸数3,978戸,人口13,360人よりなる一農山村です。いわゆる過疎化の進行は著しく,変貌する生活は老人の健康へも大きく影響を与えています。また老人人口の増加も著しく,昭和49年で60歳以上が総人口に占める割合は22.4%と,日本全体では昭和85年代(推定)にあたります。このような状況のなかで老人の健康は大きな問題となっています。この老人の健康破壊の一つの象徴が寝きたり老人といえます。広見町では,昭和46年より全町にわたって共同保健事業の一つとして寝たきり老人の訪問活動を実施してきました。その活動の結果はこれまでにも報告しています1〜3)。"一農山村における寝たきり老人の実態(第I報)"では,昭和46年から昭和50年までの訪問活動で明らかとなった寝たきり老人の実態を,原因疾患,臥床期間,ADLの推移,死因などについて5年間の経過を中心に報告しました。寝たきり老人の存在は,その家族にとっても大きな負担であると考えられます。今回は寝たきり老人の看護の実態及び家族の意識を中心に報告します。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.