調査研究
過疎地帯における老人の健康破壊
関 龍太郎
1
,
山根 洋右
1
,
新田 則之
2
,
山口 みえの
2
,
河野 三二
2
,
長岡 友恵
2
,
永見 宏行
3
,
岡田 尚久
3
,
宮脇 正子
3
1鳥取大学医学部医動物学教室
2愛媛県広見町広見町健康センター
3愛媛県立北宇和病院農村医学センター
pp.67-76
発行日 1972年10月10日
Published Date 1972/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205160
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はじめに
日本資本主義の昭和30年来の高度成長政策の必然として,農山村は過疎現象が著しい。農山村では,地域住民の生活,経済,教育,医療,文化などのあらゆる分野に悪影響が出てきている。日本の老人対策は,小山1),小川2),角田3),小野4,5),吉田・庄司6)などが指摘しているように,生活保障,医療保障,住宅保障などのいずれの側面においても多くの問題がある。
本邦における老人に関する公衆衛生学的研究には,老人の形態的特徴,体位,血圧,疲労,老人の生活環境調査,老人の栄養摂取量,長寿者,独居老人,在宅老人,養護老人ホームの老人,定年後の老人,老人の自殺と事故などに数多くの研究がある7〜30)。
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