特集 妊産婦の栄養
農山村における妊婦の栄養実態とその指導
佐伯 文子
1
1鹿野役場
pp.37-42
発行日 1970年10月1日
Published Date 1970/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203998
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農村といえば,昔はもっぱら生産者であり,多世代世帯であり,非農家は特定の人に限られていました。最近では専業農家は少なくなっています。その専業農家も稲作だけではなくて,栽培作物の分化のすすみにより,土地に即した特有の栽培をしています。その他の兼業農家では,世常主や夫,また,働ける姑も農業外の日傭的労働に従事し,そこでは米作中心の農繁期ではなく,栽培作物によって農繁期も異っています。そうした環境における農村妊婦の位置を考えた上での妊婦の栄養の実態と指導を記してみたいと思います。
以前の農家では自家消費分位の野菜は作っておりましたが,最近の農家では収入の多い特定の作物を作り,時には自家消費の野菜も購入する場合も少くなくありません。文化水準もかなり高く,農外現金収入のあることは,農作業の少ない収入より魅力であり,またそうしなければ経済生活が追いつかない状態におかれています。
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