活動報告
中央ブロック保健所管内におけるねたきり在宅老人の実態と地域看護活動について—江別・当別・夕張・由仁・岩見沢・美唄保健所管内保健婦共同調査
水野 優子
1
1北海道美唄保健所
pp.298-308
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205714
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はじめに
近年,老人問題は社会福祉面での重要な課題となってきており,行政面においても諸施策の充実がはかられてきた。当保健所管内では炭鉱閉山などで若年層の人口流出が相次ぎ,老人が取り残されるなどで,必然的に保健婦業務への対象として老人保健が組みこまれてきた。更に看護が地域保健の中でどのような役割を果たしていくかを問われている現在,ねたきり在宅老人の実態をつかみ,個々へ保健婦として支援を重ねていくうちに,保健婦業務の検討を加えていくことの必要性にせまられているのが現状である。ここで中央ブロック保健所管内保健婦全員が,共同研究として,ねたきり在宅老人の実態調査から地域看護活動に取り組み,老人保健における保健所としての基礎資料を得,その後の地域看護活動までどう継続させたらよいか,一応のまとめをしたので報告する。
中央ブロックとは当別,江別,夕張,由仁,岩見沢,美唄の6保健所管内をいい,総人口は404,700人(昭48年),面積597,284km2で,保健婦総数85名の道央に位置する地域である。管内の状況では,札幌市のベッドタウンとして人口60%増(40年対比)の大規模団地造成により,急速な人口増加のみられる江別,石狩町などがある反面,7年間で27%の人口減少がみられる沿海村で過疎現象を呈している当別。また典型的な産炭地をかかえながら人口の流出で高齢化がすすんでいる夕張,閉山による老人問題をかかえる美唄。
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