活動報告
妊産婦保健指導のあり方—母乳栄養管理を中心として
坂井 栄子
1
,
津田 真由美
1
,
大森 美智恵
1
,
田中 英子
1
1公立能登総合病院健康相談室
pp.310-315
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205715
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はじめに
乳児室で某乳業メーカーの栄養士が,出産後のお母さんを対象に調乳指導を行い,授乳室ではお母さんが慣れない手付きで調乳し,また,夜間授乳は産後の母体の安静に重きを置いて,看護婦は忙しい,忙しいといいながら15〜16人の赤ちゃんにミルクを飲ませております。このような実態を見ておりながら,これまでは特別な疑問も持たず,通常業務と見ておりました。
一方,私達は"健康な赤ちゃんは,健康な母体から生まれる"という言葉を基本的な考え方として妊産婦保健指導を行い,母乳栄養の大切なことを理解させ「あなたの赤ちゃんは,あなたの母乳で育てましょう」と指導してまいりました。一方では安易にミルクを飲ませ,一方では母乳栄養をと指導する。この矛盾したことがらが,同じ病院の中で行われていたことになります。
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