書評
—監修 岩崎龍郎 編集 島尾忠男—新結核病学概論——保健婦の結核テキスト上巻
井上 幸子
1
1東海大学医療技術短期大学
pp.735
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205662
- 有料閲覧
- 文献概要
結核対策はひところのように脚光をあびるはなやかさはなくなったが,なおその死亡率は先進国に比して10年以上のおくれがあるといわれ,今後はさらにきめの細かい,地道な活動が求められてきている。
この本の前身である"保健婦の結核テキスト"が最初に出版されたのはたしか昭和31年であったと思う。当時は結核死亡が国民死亡の第5位を占め,保健婦もまだ結核訪問に全力を傾けていた時代であった。以来,結核病学の進歩,結核対策の改善に即応して部分的な改訂が加えられながら,20年間に20数版を重ねて今日に至ったということは,いかに"保健婦の結核テキスト"が多くの保健婦諸姉に愛読され活用されてきたかを示すものであろう。しかし,結核の状況のいちじるしい変化,対策の改善にともなって,さらにその内容を充実し,高度な結核の専門書として全面改訂をして,ここに新しく出版されたことは誠にうれしい。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.