特集 自治体に働く保健婦のつどい(1)
基調講演
参加者への訴え
pp.28-30
発行日 1972年5月10日
Published Date 1972/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205081
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夫の事故死を体験して
夫が事故で死んだ!
氏名不詳(所属不明) ここに"稲垣を返せ"という本があります。これは私の夫の死亡事故をめぐって,私たちが体験したことを,私たち自身がまとめたものです。
事故が起こったのは,私たちが結婚して1年4か月のときのことでした。ちょうど長男が生まれて3か月半経たときですが,日本鋼管の鶴見製鉄所で事故にあい,脳坐症で,日本鋼管病院で4日間治療を受けたあげくなくなってしまいました。会社側は弔慰金ということで80万円支払ったほか,労災年金ということで労災保障をしてくれることになりました。たった80万円ということと,いままでそういう死亡災害があってもぜんぜん問題にもされていなかったということを知って,私は夫を看病しながらつくずく労働者のみじめさを知らされたわけです。
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