今月の主題 問診
症状別問診法
てんかんの訴え
中沢 恒幸
1
1名衛大・精神神経科
pp.710-711
発行日 1973年6月10日
Published Date 1973/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204766
- 有料閲覧
- 文献概要
てんかん=ひきつけではない
てんかんというと,すぐ"ひきつけ,大発作,けいれん"を連想するが,それはたまたま第3者に一番はっきり判る状態ということであって,外に現われない発作が数多くあることを第1に留意しなければならない.そればかりでなく意識がはっきり(清明)している発作もいくつか存在するのである.
しかしいずれにしろ,てんかんは短時間(一定時間)内の発作であり,患者は自覚しようとしまいと,いやな体験に違いないので同情と理解をもって根気よく問診すること,また付添いの家人も"もしやてんかんでは……?"という不安とこの病気に対する嫌悪感をもっているので,全体の発言の中から発作の状況をつかみとるよう心掛けるべきである.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.