声
人に接するということ
小林 富枝
1
1東京都池袋保健所
pp.7
発行日 1972年5月10日
Published Date 1972/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205079
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最近,このような人がいるのかと信じられぬ思いをすることがときおりある。実にいろいろな人がいるものだという驚きとともに,胸にせまるほどの思いで感じるのである。
今まで多くの人に接してきた。なんとなく気が合って好感のもてた人,とてもなじめなくて敬遠してしまった人,尊敬をもって一歩離れてみていた人,意気投合していつまでも一緒にいたかった人,顔を見るのも嫌でさけていた人,いろんな人がいた。でもどんな人でも会って話せば,なんとなくでも,わずかなりともその人がわかったような気がしていた。いまのように,どの角度からみてもおしはかれない,理解できない,どう受けとめればよいのか見当さえつかないという経験をしたことはなかったように思える。
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