連載 話の聴ける助産婦になるために・5
カウンセリングによる心の理解
真実な自分になって接する
大須賀 克己
1
1日本グロースセンターカウンセリング研究所
pp.672-675
発行日 1988年8月25日
Published Date 1988/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207445
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
自己一致して生きる
人間関係を維持するためには,人間関係の技術も大事なことですが,それ以前に,しっかりとした自己をつくっていく必要があります。そうしてこそ人間理解が深まり,他人との接触における工夫や技術が生きてくるのです。
人間関係は重要なことですが,相手が技術的に接してこられることを,実は誰もが嫌っているのです。たとえば,ある人があなたに話しかけてくるときに,その人の本当の心からでなく,表面的な技術的態度で話しかけてくるとしたら,あなたは嫌な感じをもつに違いありません。私たちは何よりもその人の本当の心に接したいという願いが根底にあるからです。表面的な自分と本当の自分が二つに分かれずに,一貫性のある態度や表現を「自己一致(Congruence)」している状態といいます。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.