仕事と人生
三里塚に学ぶ
鵜沢 美智子
1
1国立療養所下志津病院
pp.9
発行日 1971年5月10日
Published Date 1971/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204912
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わたしは,病院の栄養士の仕事をしています。470ベット,職員260名,人口2万7000のベッドタウンにある病院で,進行性筋萎縮症,重症心身障害児,慢性小児疾患小児結核のほか内科,外科,整形外科などです。なかでも重症心身障害児は昭和42年から80名ほど入院しています。重症心身障害児は,食べものをかむ力,飲み込む力が弱いので果物をミキサーにかけたり,おかずはすべて細かくきざんだり,あるいは濃厚流動でチューブを通して胃の中に栄養食を流し込んだり工夫します。糖尿病,腎臓病,高血圧,心臓病等の治療食に対する食事,外来乳児栄養指導,病人の栄養指導がわたしの仕事です。
栄養士の仕事をはじめてからもう13年になりました。賃金は超過勤務を含めて,7万5000円。共済組合掛金,所得税を差し引くと手取り6万4000円なりです。近所の農家のおかあさんの出かせぎが1日2500円と聞きますから,同じ賃金になります。
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