特集 ニューフェイス1年の記録
国保保健婦1年生
垣内 智子
1
1長野県南牧村役場
pp.16-19
発行日 1970年4月10日
Published Date 1970/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204645
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
「日本で一番高い駅知ってる。」「東京。」「チガーウ,野辺山」とよくクイズ等に出されるのですが,私が保健婦1年生として歩きはじめた南牧村は,北海道と並ぶ開拓地と,高原野菜で有名な野辺山を含む,八ケ岳連峰のすそに広がる高冷地で,細長い村の谷間をぬうようにして千曲川の静かな清流がうねり,国道141号線が,小諸と小淵沢へ村の中央をそれぞれにつらぬいています。千曲川の両側にそっている小さな田んぼを中心としたこの村に,約10年ほど前,野辺山高原を主に開拓がはじまり,今でもじょじょにその波は広がりつつあります。高原野菜と乳牛の農業は,年々人々の暮しを豊かにし,今では年間収入,8ケタという家もポツポツだとかいうことです。
南牧村の人は本当によく働きます。夏の野菜出荷時等は,朝5時頃から,夜は暗くなるまで,短い夏の間に1年間の収入をあげるのですから,なみたいていのことではありません。増収の一方,農夫症,成人病等が,目立って増えて来ました。これらの原因解決法を追求してゆくと,きまって農村問題にぶつかるのですが,最近南牧村にも,農政に対する,不安の波紋がおしよせてきたようです。今後の農業の展望と健康に不安がつきまとう南牧村の現状のなかでの保健婦第1歩,1年間のヨチヨチ歩きを,簡単にまとめてみました。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.